長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導 令和元年度は78.1%の事業場で法令違反
厚生労働省から、「長時間労働が疑われる事業場に対する令和元年度の監督指導結果」が公表されました。
これは、令和元年度(平成31年4月から令和2年3月までの間)に、長時間労働が疑われる32,981事業場に対して実施された労働基準監督署による監督指導の結果を取りまとめたものです。
令和元年度は、監督実施事業場のうち78.1%の事業場で、労働基準法などの法令違反が認められました。
平成30年度は、69.6%の事業場で法令違反という結果でしたので、若干増加してしまったことになります。
令和元年度の監督指導結果のポイントを確認しておきましょう。
(1)監督指導の実施事業場:32,981事業場
うち、25,770事業場(78.1%)で労働基準関係法令違反あり
(2)主な違反内容[⑴のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
①違法な時間外労働があったもの:15,593事業場(47.3%)
うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月80時間を超えるものは、5,785事業場(37.1%)
②賃金不払残業があったもの:2,559事業場(7.8%)
③過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:6,419事業場(19.5%)
なお、この公表に当たって、監督指導事例も紹介されています。
例えば、各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる大企業の事業場(接客娯楽業)に立入調査を実施した事例が紹介されています。
この事例では、次のような指導を実施したということです。
●労働者4名について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月99時間)を超え、かつ労働基準法第36条第6項に定められた時間外・休日労働の上限時間(月100時間未満、複数月平均80時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月130時間)が認められたことから、指導を実施。
●時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超えた労働者の情報を産業医に情報提供を行っていなかったことから、指導を実施。
労働基準法や労働安全衛生法は、必ず遵守する必要がありますね。
詳しくは、こちらをご覧ください。
読み進めて行くと、監督指導事例もご覧になれます。