過労死等の労災補償状況 精神障害に関する事案の労災認定が増加
厚生労働省から、令和元年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。
同省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスが原因で発病した精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを年1回取りまとめ、公表しています。
令和元年度の状況のポイントは、次のとおりです。
●過労死等に関する請求件数は2,996件で、前年度比299件の増となった。
また、支給決定件数は725件で前年度比22件の増となり、うち死亡(自殺未遂を含む。)件数は前年度比16件増の174件であった。
●そのうち、
○脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況については、請求件数は936件で、前年度比59件の増。支給決定件数は216件で前年度比22件の減。
○精神障害に関する事案の労災補償状況については、請求件数は2,060件で前年度比240件の増。支給決定件数は509件で前年度比44件の増(うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件増の88件)。
特に、精神障害に関する事案の労災の請求件数・支給決定件数が増加して点が目立ちます。
また、精神障害に関する事案の労災補償状況について、出来事別の支給決定件数をみると、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」79件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」68件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」55件の順に多いという結果になっています。
なお、「セクシュアルハラスメントを受けた」も42件となっており、職場におけるハラスメントにより心を病む人が増えていることがうかがえます。
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