新型コロナウイルス対策 緊急経済対策を決定 雇調金の更なる拡充、減収企業への「持続化給付金(仮称)」の創設などを盛り込む
令和2年4月7日、政府は、新型コロナウイルス感染症について、「緊急事態宣言」を行うとともに、「基本的対処方針」の改定を行いました。
これにあわせて、国民の命と生活を守り抜き、経済再生を目指すため、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を閣議決定しました。
この緊急経済対策では、次の5本の柱を掲げています。
・第一 感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発
・第二 雇用の維持と事業の継続のための支援の更なる強化
・第三 次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復
・第四 将来を見据えた強靱な経済構造の構築
・第五 今後への備え
現時点でまず気になるのは、第二の「雇用の維持と事業の継続のための支援の更なる強化」ですが、これについては、次のように示されています。
●感染症拡大の収束までの間、雇用・事業活動・生活を守り抜き、危機をしのぎ切ることで、その後の経済の力強い回復への基盤を築く。このため、「緊急対応策」で講じた各種措置を更に強力に推し進め、民間金融機関でも無利子の制度融資を受けられる制度や、特に厳しい影響を受けている中小・小規模事業者等への新たな給付金、収入に相当の減少があった事業者に対し延滞税等なしで納税等の猶予を認める特例など事業者の資金繰りや雇用の維持をあらゆる手段で強力に支援する。
フリーランスの方々を含め、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に対しては、新たな給付金の交付など思い切った支援策を講ずる。
上記のうち、雇用の維持としては、「雇用調整助成金」について、緊急対応期間(令和2年4月1日から6月 30 日まで)において、助成率を、中小企業は5分の4、大企業は3分の2に引き上げ、さらに解雇等を行わない場合には、中小企業は10分の9、大企業は4分の3とするとともに、 雇用保険被保険者でない非正規雇用労働者も対象とするなどの拡充を行う。
あわせて、制度を利用する事業者の利便のため、支給迅速化のための事務処理体制の強化、手続の簡素化などを行うとしています。
また、特に厳しい影響を受けている中小・小規模事業者等への新たな給付金については、「持続化給付金(仮称)」として、事業収入が前年同月比50%以上減少した事業者について、中堅・中小企業は上限200万円、個人事業主は上限100万円の範囲内で、前年度の事業収入からの減少額を給付する。
その際、苦境にある事業者等に対して、確実に制度の概要が伝わるよう事前の周知に注力するとともに、文化芸術をはじめとする幅広い業態の特殊性も踏まえ、電子申請を原則とするなど、可能な限り簡便な手続とし、申請から給付までの期間を極力短くする。
また、中小・小規模事業者に経営環境悪化のしわ寄せが及ばないよう、取引適正化等を促進する体制を整備するなどとしています。政府与党は、緊急経済対策の財源となる令和2年度補正予算案の早期成立を期す構えです。詳細が明らかになりましたら、順次お伝えします。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」について 令和2年4月7日閣議決定>
また、緊急経済対策などを紹介する次のようなサイトも開設されました。